たるみが強い場合、糸リフトでどこまで対応できるか

執筆: EDITION Plastic Surgery | 公開日: 2026/9/29

たるみが強いと感じても、糸リフトで対応できる範囲を決めるのは見た目の強さではなく、たるみの原因と、伸びて余った皮膚の量です。糸で対応しやすい状態と対応が難しい状態、最小切開リフトやフェイスリフトとの分かれ目、ボリュームの減少が重なる場合の考え方、そして引き上げる方向の設計まで、判断の軸を順に整理します。

たるみが強くなってきたと感じる場合でも、糸リフトで対応できる範囲はあります。ただ、その範囲を決めるのは「どれくらい下がって見えるか」よりも、たるみが何から起きているのか、そして伸びて余った皮膚がどれくらいあるかです。糸は下がった組織の位置を引き上げることはできますが、余った皮膚の量そのものを減らすことはできません。

エディション美容外科では、たるみの原因を「皮膚そのものの弾力低下」「脂肪の位置の変化」「組織を支える靭帯(リテイニングリガメント)のゆるみ」の3つに分けて診断し、そのうえで糸リフトが合う状態かどうかを判断しています。診断の結果、糸リフトではなく別の方法のほうが適しているという結論になることもあります。

このページでは、たるみが強いと感じている方が「糸でどこまで上げられるのか」を考えるときの判断の軸を、順を追って整理します。

糸リフトが力を発揮しやすいのは、たるみが初期から中等度で、余っている皮膚が多くない状態です。頬の深い部分や口元の下がりが主な悩みであれば、糸で組織を適切な方向へ移すことが期待できます。反対に、皮膚が大きく伸びている場合や、脂肪のボリュームそのものが下がって見える主な原因である場合は、切開を伴うリフトや脂肪吸引・輪郭の施術を先に検討することがあります。対応できる範囲は、見た目の強さではなく原因の診断によって決まります。

「たるみが強い」と感じるとき、最初に何を確かめますか?

エディション美容外科が最初に確かめるのは、たるみの原因がどこにあるかです。同じように「下がった」と見える顔でも、皮膚の弾力が落ちている場合、脂肪の位置が変わっている場合、組織をつなぎとめる靭帯がゆるんでいる場合とでは、合う方法が変わります。

多くの方は、この3つのうち一つだけではなく、いくつかが重なって起きています。どれがどの程度関わっているかを見極めることが、糸リフトで対応できるかどうかを判断する出発点になります。

もう一つ大切なのが、ボリュームの減少との見分けです。ほうれい線のように、下がっているのではなく凹んでいることが原因になっている部位もあり、その場合は糸で引き上げても思ったほど変化が出ないことがあります。

糸リフトで対応しやすいのは、どのような状態ですか?

糸リフトが向いているのは、たるみが初期から中等度の段階にあり、余っている皮膚が多くない状態です。頬の深い部分のたるみや口元の下がりが主な悩みである場合も、糸リフトを検討しやすいケースです。

糸リフトは、溶ける糸を皮膚の下に入れ、下がった組織を物理的に引き上げる切らない施術です。同時にコラーゲンの生成を促し、肌のハリにも働きかけることが期待されます。組織の位置を移すことが中心の施術なので、「位置が下がったこと」がたるみの主な原因であるほど、糸の役割がはっきりします。

糸リフトでは対応が難しいのは、どのような場合ですか?

一つめは、皮膚のたるみがかなり進んでいる場合です。糸は組織の位置を動かすことはできても、伸びて余った皮膚の量を減らすことはできません。余った皮膚が多い状態では、フェイスリフト(切開リフト)のほうが効果的な選択になることがあります。

二つめは、脂肪のボリュームがたるみの主な原因になっている場合です。このときは糸で引き上げるよりも、脂肪吸引や輪郭の施術を組み合わせることを先に検討します。

どちらも「糸リフトがよくない方法だ」という意味ではありません。糸が担える役割と、いまのお顔に必要な役割が合っていない、というだけのことです。

たるみの程度によって、選択肢はどう変わりますか?

エディション美容外科では、たるみの程度に応じてリフトを段階的に考えています。下の表は、それぞれの方法がどのような状態を想定しているかをまとめたものです。実際にどれが合うかは、診察と原因の診断で決まります。

方法切開の有無主に想定している状態
糸リフト切らない初期〜中等度のたるみで、余った皮膚が多くない。頬の深い部分や口元の下がりが主な悩み
最小切開リフト耳の前にごく小さな切開中顔面から下顔面にかけてのたるみ
切開リフト(フェイスリフト)より広い切開たるみが進み、余った皮膚の整理も必要な状態
額リフト額のための方法額のたるみ

表の下に行くほど、たるみが「強い」と感じる方の選択肢になりやすい、という程度の目安です。どの段階にあたるかは、鏡で見た印象ではなく原因の診断で判断します。

たるみと凹みが一緒に起きている場合はどうしますか?

たるみとボリュームの減少が同時に起きている混合型は珍しくありません。この場合、糸リフトで位置を整えたうえで、コラーゲンブースターやフィラーでボリュームを補う方法を併せて検討することがあります。引き上げる施術は、減ったボリュームを埋めるところまではできないためです。

ただし、併用は診断の結果として選ぶものであり、はじめから決まった組み合わせではありません。たるみだけが問題であれば、糸リフト単独で十分なことも多くあります。

引き上げる方向は、たるみの強さとどう関係しますか?

たるみが強いほど「もっと強く上へ」と考えがちですが、糸リフトでは引き上げる量よりも方向が結果を左右します。組織を真上にだけ引き上げると頬骨のあたりに集まり、中顔面が目立って見えることがあります。

エディション美容外科では、下がった組織を顔の外側、特に生え際の後ろ側の方向へ移すことを考えてデザインし、正面・斜め45度・側面のどの角度から見ても不自然にならないよう方向を設計しています。糸の本数を増やして強いたるみを補おうとするのではなく、必要な位置に、必要な方向で入れることを優先します。

カウンセリングでは、何をたずねておくとよいですか?

たるみが強いと感じている方ほど、「糸で上がりますか」という一つの質問で終わらせず、判断の根拠まで聞いておくと納得して選びやすくなります。エディション美容外科のカウンセリングでも、次のような点を一緒に確認しています。

  • 自分のたるみは、皮膚・脂肪・靭帯のどれがどの程度関わっているか
  • 余っている皮膚は、糸リフトで対応できる範囲にあるか
  • 糸で対応できる部位と、対応が難しい部位はどこか
  • 糸リフトが合わない場合、代わりにどの方法が検討されるか
  • 以前に受けたフィラーや糸などの施術が、計画にどう関わるか

糸リフトが合わないという結論になった場合も、そこで得た診断は次の選択の土台になります。どの段階の方法を選ぶにしても、原因がわかっていれば、その方法に何を期待できて何を期待できないのかを冷静に見極められます。

よくある質問

たるみが強くても、糸リフトだけで対応できることはありますか?

あります。見た目のたるみが強くても、原因が主に組織の位置の変化で、余った皮膚が多くなければ、糸リフトが選択肢になることがあります。判断の基準は原因の診断です。

フェイスリフトを勧められたら、糸リフトは受けられないのでしょうか?

そうとは限りません。診断の結果と、それぞれの方法で期待できること・できないことを聞いたうえで、ご本人が選ぶものです。カウンセリングでは、糸リフトで対応できる範囲とできない範囲を分けて確認してください。

糸の本数を増やせば、強いたるみにも対応できますか?

本数を増やしても、余った皮膚の量は減りません。顔全体での平均は約14本前後ですが、これはたるみの程度と目標に合わせて調整する目安であり、多いほどよいという値ではありません。

年齢で判断されますか?

年齢よりも状態で判断します。一般的には30代前半から予防的な目的で始める方が多い一方、20代後半でもたるみが始まっていれば施術の対象になることがあります。

以前に糸リフトを受けたことがありますが、相談できますか?

相談できます。以前の糸の種類、施術の時期、現在の組織の状態を確認したうえで判断します。以前の糸を取り除くことが前提になるわけではありませんが、確認をしないまま新しい糸の計画を立てることはしません。

たるみが強いと、持続期間は短くなりますか?

持続期間は主に糸の種類と個人差によって変わります。PDO(シルエットフィックス・ミント)は約6〜8か月、シルエットソフトとアプトスは約1年〜1年6か月が目安で、たるみの程度も個人差の一つとして関わります。

監修医について

ハン・デヒ院長(Dae-hee Han, MD) — 形成外科専門医(専門医 第2045号・2014年3月3日取得/医師免許 第100394号・2009年2月26日取得)。亜洲大学校医科大学 修士。台湾・長庚記念病院 顱顔面センターにて研修(2013年)、米国フロリダ大学 IFAAS Mini Fellowship(2016年)。カウンセリング・施術・経過確認は院長本人が行い、費用のご案内はカウンセリング担当者が行います。

最終確認日:2026-09-28

クリニック情報

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ご注意

結果には個人差があります。出血・感染・腫れ・左右差・瘢痕などが生じることがあります。専門医による十分なカウンセリングを受けたうえでご判断ください。

このページは一般的な医療情報であり、診断や特定の結果を約束するものではありません。費用は対面でのカウンセリング後にご案内します。